金融の価値

企業のデータや統計をみて記事を書き始める前に、僕が金融業の世の中にもたらす価値についてどう考え、アクセルボードが何の役に立つと思っているのかを述べたいと思います。

 

社会における金融業の働きは、その経済的な側面からみると、お金の保管(預金や安定的な投資信託)をして顧客の現金引出しや決済に応えること、リスクに備えた安心を保険というサービスで届けること、保有している資金以上に行動したい人に対して将来の価値を割り引いて(利息をつけて)現在において貸し付けてあげること、と大まかに分けられます。

 

そこでは金融業者が動くために、どうしても必要になるものがあります。それは金融取引に関わる情報です。ここには返済を請求するための利用者の名前と住所であったり、どんなリスクを持っているかにまつわる職業や運転頻度であったり、これまでの収益を証明できる財務諸表であったり、これからの収益を推し量るための工場の稼働状況や直近の月次売上だったり、経営者個人の実績であったりします。

これらの情報を組み合わせ、紙幣・貨幣やITシステムといった金融インフラを用いて社会の動きをスムーズにしたり拡大・加速させたりしているわけです。その働きが金融業の世の中にもたらす価値だと考えることができます。

 

金融業が世の中にもたらす価値の大きさ、すなわちどれだけ社会や人の役に立つかどうかは、この仕組みからして、用いる情報・解釈の品質と金融インフラの性能に対して正の相関を持つことになります。

金融インフラは日々進化していきます。例えばオンラインの銀行や電子決済の浸透は、現金を持ち歩かなくても済むという利便性をもたらしました。ブロックチェーン技術の活用は、まだ全容は明らかではありませんが、銀行や国際決済機関の仲介を省き、海外送金をほとんど手数料無しで成し遂げるかもしれません。株式や投資信託の売買はスマホ一つで出来るようになっており、手数料も値下げが続き、個人の投資環境は日増しに便利になっています。

 

それではもう一方の、用いる情報・解釈の品質はどうでしょうか。これは努力で平等に何とかなる部分と、考えて推測するしかない部分があると考えています。

努力で平等に何とかなる部分とは、調べればそこにある情報に関する品質です。

個人の身元情報も、どこで何を買ったのか、会社に在庫がいくつあるのか、今いくらで製品やサービスを提供できているのか、現預金や投資信託をいくら分持っているのかといった情報は、集めよう思えば集められます。アクセルボードはこの部分について、会社の公表データだったり信頼性の高い統計データをそのまま置き、フリーワード検索出来るようにすることで利便性を提供しています。

考えて推測するしかない部分は、財務諸表がどれだけ現実を反映できているかとか、このサービスはどれだけの人に喜んで使ってもらえるだろうかとか、経営者がこれからどれだけ優れた意思決定をしてくれるだろうかといった部分のことです。これは融資・保険・投資のどれであっても避けて通れません。

金融業は、金融取引を作り出してこそ世の中に価値を出すことができる事業なので、参加者は投資や融資をしようとしている対象(人や企業やプロジェクト等)について、本当の経済的価値を考え出し、価格をつけなければいけません。そのために、例えば対象が企業であれば事業内容を詳細まで聞き出し、集められる財務諸表を集めて解釈し、関連する社内外のデータを集めて確からしさを判定し、今後の経営者の手腕や性格の信頼性に思いを巡らせます。財務諸表を「解釈する」と言うと不正だらけで信頼できないものかのように聞こえるかもしれませんが、別に不正というわけではなく、曖昧なのです。例えば減価償却も、一律で「こんな機械は7年」みたいに決められますが、本当のところ何年持つかなど現実に考えないと分からないものです。企業の価格を判定することについて名声を得ているウォーレン・バフェットはこのような実態について、財務諸表は企業を分析する開始地点だと述べています。

考えて推測するしかない部分について、アクセルボードは少しでも確からしい情報を誰もがより良く作り出せるようにするべく、努力で平等に何とかなる部分の情報と世の歴史上の投資家の磨いてきた理論をもとにして、記事やレポートで解釈を伝えていきます。また、解釈に役立つシステムについても可能性を探りたいと考えています。

 

今後とも当サイトをよろしくお願いします。

 

服部