投資家と実業家

銀行・証券投資・アセットマネジャーを含め、投資家は実業家と違うどのような競争力を身に着けるべきでしょうか。

僕はそれは評価する力と説得する力だと思っています。

評価する力は、情報インフラの機能(記録を取る様々な人やセンサーの働き、データベースでの情報蓄積、図表化してくれるアプリケーションの働き、レポートを作ってくれる様々な人の働き、インターネットでの共有、そして今後はブロックチェーンでの正確かつ迅速な連携)によって得られる様々な情報を、自分や自分たちのチームで考え、資本の価値評価をする力のことです。株式など有価証券の価値や不動産の価値など、評価する対象は多様です。

評価する力を持つだけでは十分ではありません。自分なりの投資理論を説明し、人々を説得して資金を預けてもらい、それを成果を出せる・正当に市場で評価されるまで必要な期間保つことが必要です。四半期ごとに利益を求められる環境を変えられなければ資金の引き上げが起こり、例えば投資先の企業の財務状態まで不安定にしかねません。評価して資金を優れた資本に集め、成果を出したり市場の評価が正常化するのを見届けるまでが投資家の仕事です。投融資される側としても、真っ当に評価されて生産性を高められるようになるまで資金力を与えられることで事業活動を安定的に成長させることが出来ます。投資家(と投資家にお金の運用を託している人々)も、実業家も、事業活動で利益を得る社会も、皆良い成果を得ることが出来るような投融資をできるのが本当の投資だと考えています。

 

投資家に対して、実業家は実行する力に賭ける人々です。

何かの領域にこだわり抜き、新たな製品、新たなサービスを作り出して社会に富を作り出そう、世界をより良く変えていこうと想いを持って働いている人々です。

このような事業を成し遂げるとなると、世の中をどう変えたいかという夢、経営の知見、人々の情熱を駆り立てる姿勢、何かが好きでたまらない故に突き進む精神性など、競争のために身に着ける力は様々です。このやりがいは、好きなことにチャレンジして世界を変え、より良くするということです。

 

投資家のやりがいは、資金を長期的に優れた成果を出す資本へ寄せていくことで、高い投資対利益を出し、収益を得ることだとも考えられ、お金のためと見えることもあります。しかし裏では一時のブームに合わせる投機ではなく、慎重に評価を行うための多くの作業や検討の時間があります。社会の富を高めていくと信じられる優れた投資になるとき、それは世のため人のためというやりがいもついてくるものなのです。

また、お金持ちをさらにお金持ちにするというイメージもあると思いますが、年金や投資信託などのお金は決して富裕層には限らない広い層の人々のお金の運用であり、優れた成果を投資家が出せば、その投資家にお金の運用を託している人々にも恩恵が及ぶのです。

 

投資家についての社会の評価が現在どうなのかよくわかりません。ただ、まだ抵抗感があるのではないかと考え、本当のところ投資家がどのように社会に貢献しているのか、どのようなやりがいがあるのか、理解が進むことを目的にこの記事を書いた次第です。